うちの仔と
散歩をしていて
村のおばあちゃんが
ニコニコしながら
話しかけてくれました

「うちにも、かわいい仔が16年もいたよ。
いなくなってさみしくてね。」

そんな話をしていると
うちの仔がしびれをきらして
ぶ~と
小さく鳴くと
「ごめんね。お散歩の途中だったね。
いってらっしゃい。」
そう言って、
まあるい笑顔で見送ってくれました

そのおばあちゃんにお会いすると
決まってそのお話をしてくれました
でも何度聞いても心が温かくなるのでした

うちの仔がいなくなって
久しぶりに、そのおばあちゃんにお会いました

私は、嬉しくて、にっこりとあいさつをしましたが、
おばあちゃんは怪訝そうな顔

おばあちゃんは、うちの仔だけを見ていて、
私のことは、覚えていなかったのです。

なんども同じお話をされるとき
嬉しい気持ちを何度も味わいたいこともあるでしょうし
また、もっと相手にわかってほしいと言う
その人の何か想いがあるのかもしれません

何度でも
あの同じ話を聞きたかったな。と、
寂しい思いで
おばあちゃんの背中を見送りました